交通事故と健康保険・労災保険
1、交通事故でも、健康保険・労災保険は使えます
よく、「交通事故では、健康保険・労災保険は使えない。」と、言いますが、あれは「うそ 」です。
たとえ、交通事故であったとしても健康保険・労災保険は使えます。
健康保険法第1条で「この法律は、労働者の業務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡又は出産及びその被扶養者の疾病、負傷、死亡又は出産に関して 保険給付を行い 、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする」と、規定しています。
この条文を見て分かる通り、 「業務外の事由」による事故にしか保険給付をしない と言っているだけであって、交通事故には保険給付はしないとは言ってはいません。
労働者災害補償保険法第1条で「 労働者災害補償保険法は、業務上の事由または通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等 に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い」と規定しています。
この条文を見て分かる通り、 「業務上に事由または通勤」による事故にしか保険給付をしない と言っているだけであって、交通事故には保険給付はしないとは言っていません。
2、交通事故に対して健康保険・労災保険を使うことに対して、医者は治療を拒むことができるか
医者は交通事故に対して健康保険・労災保険を使うからといって、その治療を拒むことができません 。
これは、医師法第19条に「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、 正当な事由がなければ、これを拒むことができない 」と、規定しています。
ここで言う正当な事由に該当するものとしては以下のものがあります。
医者自身が怪我、病気になってしまい診察できない場合
専門分野以外の治療を申し込まれた場合
医者自身の単なる軽度疲労、天候不良は正当な事由には該当しません。
3、医者が交通事故に対して健康保険・労災保険の使用を拒む理由
医者が健康保険・労災保険の使用を拒む理由は以下の通りです。
自由診療の方がお金儲けができる
健康保険・労災保険を使わない自由診療では、医者側が 自由に価格を決定 します。そのため、同じ治療を受けたのにもかかわらず、健康保険・労災保険よりも 自由診療の方が2倍くらい治療費が高い ことがあります。
高い治療費を請求しても損保が肩代わりしてくれる
大概の車の所有者は、自賠責保険だけではなく、任意保険に加入しています。そのため、 高い治療費を請求しても損保会社が払ってくれます 。
4、自由診療と健康保険・労災保険の利用どちらが良いのか
どちらが良いとは一概には言いませんが、以下の場合には健康保険・労災保険を利用したほうが良いでしょう。
加害者が損害賠償の支払能力がない 場合
交通事故発生の責任の大半が被害者 側にある場合
保険会社や加害者と交渉するよりも、治療に専念したい 場合
ただし、健康保険・労災保険を使用する場合には一定の手続きをしなければいけません。
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